はじめに

家族の介護が必要になると、日々の負担を少しでも減らしたいと考えるものです。そんなときに役立つのが、リモコン操作で背もたれや脚部分を起こせる電動マットレスです。高齢の親や介護が必要な家族がいる家庭で注目されており、寝起きのサポートや介護する側の腰の負担軽減に大いに役立ちます。

この記事では、電動マットレスの基本機能・特徴から、通常マットレスや介護ベッドとの違い、価格帯やおすすめ製品、介護保険の適用可否、選び方のポイント、そして実際の使用者の声まで幅広く解説します。

電動マットレスの基本機能と特徴

電動マットレスとは、内部にモーターを搭載し、マットレス自体がリクライニング（背上げ・脚上げ）できる寝具のことです。介護用の電動ベッド（特殊寝台）の簡易版とも言え、ベッドフレームがなくても床や畳の上で使用できるタイプもあります。主な機能・特徴は次のとおりです。

リクライニング機能

背もたれ部分を最大60～70度程度まで起こし、脚部分も20～30度持ち上げることで、仰向けから体を起こした座位に近い姿勢まで調整できます。背上げと脚上げが連動して動く設計の製品が多く、体がずり落ちない自然で安定したリクライニングが可能です。読書やテレビ鑑賞時に背もたれを起こし、眠くなったらフラットに戻すといった使い方もワンタッチでできます。

リモコン操作

手元の有線リモコンで簡単に操作できます。多くの製品は「アップ↑」「ダウン↓」など2つのボタンで背上げ・背下げを行うシンプル設計で、高齢者にも扱いやすいです。リモコンには収納ポケットが付いているものもあり、使わないときはベッド脇に収められます。

静音設計

現在販売されている電動ベッド・マットレスのモーターは静音性に優れています。昔に比べ動作音が小さい製品が増えており、夜間の使用でも音が気になりにくくなっています。長年使っていて動作時に軋み音が出る場合も、ネジを締め直すことで改善するケースがあります。

安全機能

リクライニング中に誤って布団や手足などが挟まってしまった場合に、モーターの力が自動で停止する挟み込み防止機構を備えた製品もあります。また急な故障や停電時にも背もたれを手動で戻せるような設計や、安全にゆっくり下降する機能が搭載されたものもあります。耐荷重や安定性も考慮されており、製品によっては360kgの荷重で1万回の稼働テストに合格するなど高い耐久性を備えています。

以上のように、電動マットレスはリモコン一つで角度調整ができ、静かで安全に使えるよう工夫されています。要介護者本人が自分でボタン操作して上体を起こすことも可能になり、食事や水分補給、テレビを見るときなどにわざわざ介助者を呼ばなくても済む場面が増えるでしょう。その結果、介護される側の自立促進にもつながり、介護する側の負担軽減にも役立ちます。また、背もたれを上げて眠ることでいびきの軽減や誤嚥予防など健康面でのメリットを感じる方もいます。

通常マットレス・介護ベッドとの違い

電動マットレスの導入を検討する際に、普段使っている通常のマットレスや、介護用ベッド（電動ベッド）との違いが気になる方も多いでしょう。それぞれの違いを整理してみます。

通常のマットレスとの違い

まず、通常のマットレスとの違いです。一般的なマットレスや敷布団はもちろん電動で動く機能はなく、平らな状態でしか使用できません。これに対し電動マットレスは中にモーターと可動フレームを内蔵し、背部や脚部を持ち上げられる構造になっています。そのため見た目は一見マットレスですが、厚みや重量があり、精密機械を内包した福祉用具です。通常マットレスよりも重量があり（例：シングルサイズで約30kg前後）、取り扱い時には家族や業者の手を借りて移動・設置する必要があります。

また、電動マットレスでは専用のマットレス材質が使われています。内部にウレタンフォームやウッドスプリングなど弾力のある素材を組み合わせ、曲げても寝心地を損ねにくい設計です。普通のベッド用マットレスを電動リクライニングに対応させると、折り目部分に負荷がかかり痛みやすかったり、身体にフィットしなくなったりする恐れがあります。そのため電動ベッドでは専用マットレスを用いるのが一般的で、商品によってはマットレス一体型で交換できないものもあります。交換可能な場合でも、動作に合わせて曲がる専用マットレスを選ぶ必要がある点は通常マットレスとの大きな違いです。

介護ベッド（電動ベッド）との違い

次に、介護ベッド（電動ベッド）との違いです。介護ベッドとは、在宅介護や医療に使われる電動調整機能付きベッドのことで、「特殊寝台」とも呼ばれます。電動マットレスを含め、電気で動くベッド全般を指す言葉が「電動ベッド」ですが、近年は介護目的のものを特に介護ベッドと呼び、一般家庭の快適さ重視の電動ベッドとは区別するようになっています。

用途と機能の違いとして、介護ベッドは介護を受ける人と介護する人双方の「安全」と「介護のしやすさ」に重点を置いて設計されています。多くの場合、介護ベッドの利用者は自力で起き上がったり寝返りを打つことが難しいため、ボタン一つで体位変換や起き上がりを補助できる機能が必須です。具体的には、介護ベッドの多くは3モーター式で、電動マットレスの背上げ・膝（脚）上げに加えて高さ調整機能を備えています。背もたれと脚のリクライニングに加え、ベッド全体の高さを上げ下げできることで、介護者が腰をかがめずにケアをしやすくなり、利用者の立ち上がり時にもベッドの高さを調整して安全にサポートできます。

一方、電動マットレス単体では高さ調整機能や柵（サイドレール）が基本的に付いていません。高さは床に直置きするか、付属の脚で固定の高さに設定する程度で、介護ベッドのように自由に上下できるわけではありません。そのため、介護者がベッド上でおむつ交換や体位交換を行うような場合は、電動マットレスよりも高さ調節や柵のある介護ベッドの方が適しています。介護ベッドには標準で転落防止用のサイドレールが取り付け可能ですが、電動マットレスには必要に応じてベッドガードを別途設置する工夫が必要です。

また、デザインやサイズ展開にも違いがあります。介護ベッドは医療・介護機器としてシングルサイズ相当（レギュラーシングルやミニサイズ）のものが主流で、病院のようなシンプルな見た目のものが多いです。一方、一般の電動ベッド（電動リクライニングベッド）はインテリア性が高く、ダブルサイズ以上の大型やおしゃれなデザインの製品も存在します。電動マットレスも基本はシングルサイズですが、メーカーによってはセミダブル幅の展開がある場合もあります。

総じて、電動マットレスは介護ベッドほど本格的ではないものの、家庭で使いやすい簡易電動ベッドと位置付けられます。介護度がそれほど高くなく、自宅の和室や今あるベッドフレームで手軽に背上げ機能を取り入れたい場合に電動マットレスが適しています。一方で介護度が高く安全面の配慮が必要な場合や、介護保険を利用して専門的なベッドを導入したい場合には、介護ベッドの方が適しているでしょう。

電動マットレスの価格帯とコスト感

機能が充実した電動マットレスですが、気になるのはその価格帯です。一般的なベッドより高額になりがちなので、購入費用やレンタル費用の目安を把握しておきましょう。

購入価格の目安

電動マットレス本体の購入価格は幅広く、おおよそ数万円～数十万円台です。例えば、シンプルな折りたたみ式電動ベッド（マットレス一体型）であれば3万円台から購入可能な製品があります。一方、国内大手メーカー製の本格的な電動リクライニングマットレスになると10万円台後半～30万円前後が目安です。実際、フランスベッド社の電動マットレス「ルーパームーブ」シリーズでは、シングルサイズの価格が約18万円～32万円程度（モデルにより異なる）となっています。介護ベッドのようにベッドフレームも含めた製品（背・膝上げ2モーター＋高さ調整付きの3モータータイプ）はさらに高額で、セットで数十万円以上になることもあります。

ランニングコスト

電動マットレス自体の電気代はモーター動作時のみでわずかなものですが、耐用年数や消耗品交換など長期利用で多少の維持費がかかる場合があります。モーターやリモコンが故障した際の修理費用も考慮しましょう。ただし、耐久試験をクリアした品質の良い製品を選べば5年10年と長く使えるため、結果的に元が取れる場合もあります。

介護保険利用時の費用

要介護認定を受けている方の場合、介護保険を使って介護ベッド（特殊寝台）をレンタルする選択肢があります。電動マットレス単体というよりベッド一式のレンタルになりますが、この場合自己負担額はとても安く抑えられます。介護保険で介護ベッドをレンタルする場合、利用者は費用の1～3割負担で済みます。例えばレンタル料が月1万円のベッドでも、1割負担なら月額1,000円で利用可能です。一般的な介護ベッドのレンタル自己負担額は、1割負担の場合で月約600～3,000円程度が目安とされています。かなり経済的に利用できるため、長期の介護が見込まれる場合は購入よりレンタルの方が総費用を抑えられるでしょう。

なお、介護保険を利用するには要介護度の条件があります（後述「介護保険の適用可能性」で詳述）。要介護度が低く保険が使えない場合は、自費でレンタル契約することもできますが、その際は月額5,000～1万円以上の負担となるケースが多いです。短期間の一時的な利用ならレンタル、自宅で長く使いたいなら購入、といった具合に家庭の状況に合わせて検討しましょう

参考リンク

• 介護保険における福祉用具・住宅改修の価格等の実態に関する調査報告書（厚生労働省）
• 福祉用具・介護ロボットの貸与（販売）価格の適正化に関する調査研究事業報告書（厚生労働省）

おすすめの電動マットレス・製品紹介

ATEX〈AX-BE635N 電動リクライニングベッド〉

折りたたみ式ながら2モーター独立駆動を実現したコストパフォーマンスモデル。背上げと脚上げを別々に制御できるので、読書時は背だけを60°まで起こし、就寝時は脚を10°上げてむくみを軽減するなど細やかな調整が可能です。マットレスは凹凸ウレタン＋高密度固わた＋フェルトの三層構造で、折り曲げ部にも段差を感じにくい設計。収納時は幅31 cmの自立形状になり、キャスターで簡単に移動できるため、和室やワンルームの生活動線を邪魔しません。安全面ではモーター停止後に自動的に与圧を逃がすソフトストップ機能と、万一の停電時に手動でフラットへ戻せるレバーを搭載。組立済み完成品で届くため設置の手間も最小限です。メーカー保証1年＋販売店独自の延長保証（最長3年）を付帯でき、初めての電動マットレス導入に最適です。

フランスベッド〈ルーパームーブ RP-1000W〉

「いまのフレームはそのまま、寝心地を落とさず電動化したい」というニーズに応えるマットレス一体型2モーターモデル。21 cm厚の本体内部にはしなやかなウッドスプリングと高弾性ウレタンを採用し、リクライニング時も体圧を面で受け止めてフィット感を維持します。エッジサポートを硬めに設計しているため端に腰掛けても沈み込みにくく、立ち上がりやすい点が介護中のご家庭に好評。カバー表地は通気性の高いダブルラッセルニット＋制菌・防臭・防ダニ加工で、こまめに洗える脱着式。リモコンは左右どちらにも付け替えられ、夜間でも視認性の高い蓄光インジケータを装備しています。実勢価格は14〜18万円ですが、同社の開梱設置サービスを利用すれば段ボールごみまで回収してくれるため、搬入負担を感じさせません。介護保険レンタル対象外ですが、10年近く使える耐久性を考えると長期コストはむしろ割安です。

パラマウントベッド〈INTIME 1000〉

医療・介護市場シェアNo.1 企業が培った安全・快適技術を、そのまま寝室インテリアに落とし込んだ人気シリーズ。背部を起こす際に膝位置を同時に少し沈ませる「ラクリアモーション」でずり落ちを抑え、体への剪断力を低減します。2モーター仕様でも後付けオプションでハイトオプション脚（5段階高さ固定）やサイドレールを追加可能、介護度が上がっても買い替えずに拡張できます。フレーム色はウォールナット・ミディアムオーク・ホワイトなど5色、ヘッドボードもスリム／棚付きなど3タイプから選べ、ホテルライクな寝室コーディネートが叶います。モーターは業務用スペックの静音・高耐久タイプで、カタログ上限稼働回数は2万回超。標準2年保証に加え、パーツ供給10年体制を宣言しており、修理・買い替えコストへの不安を抑えられます。価格はフレーム＋マットレスで27〜32万円台が中心ながら、長期の安心感を重視するユーザーから“最終的に選ばれる一台”として支持されています。

日本ベッド〈AJシルキーポケット 電動ベッド専用マットレス〉

1931年創業、国内高級ホテル常備率トップクラスの日本ベッドが開発した電動リクライニング専用ポケットコイル。独自の「シルキーポケット」は、一般的な5〜6巻コイルより高さを抑えた4巻仕様の極細線バネを1180個（シングル）も内蔵し、点で支えながら面で受け止める柔らかなフィット感が特長です。電動用モデルでは中央域のコイルピッチをやや狭め、折れ曲がり部分の耐久性を強化。さらにスプリングを包む不織布は摩擦低減コーティングを施し、リクライニング動作時のシャカシャカ音を大幅に減少させています。硬さはレギュラー／ソフト／ハードの3段階、厚さ19 cmで多くの電動フレームに適合。側地は上質なジャカードに防ダニ・抗菌加工をプラスし、片面キルティング仕様でローテーションメンテナンスも容易です。実勢17〜19万円ながら「7年使用してもへたりが少ない」「2人掛けツインベッドでも振動伝播が小さい」とリピーター評価が高く、寝心地最優先派に薦めたい逸品です。

介護保険の適用可能性（レンタル vs 購入）

電動マットレスおよび電動ベッドを導入する際、介護保険の適用が可能かどうかも重要なポイントです。日本の公的介護保険では、要介護認定を受けた高齢者に対し、日常生活を助ける福祉用具のレンタル費用を補助する制度があります。介護用電動ベッド（特殊寝台）もその対象用品の一つですが、適用には条件があります。

対象となる要介護度

介護ベッド（特殊寝台）のレンタルが保険適用となるのは原則要介護2以上の方です。要介護2～5の認定を受けていれば、介護ベッド一式（背上げ・脚上げ・高さ調整可能なもの）のレンタル費用が1～3割負担で利用できます。逆に言うと、要介護1以下の方は介護ベッドは保険適用外となり、レンタルも自己負担（全額負担）になってしまいます。要支援1・2の軽度者も同様です。ただし、例外的に医師が必要と判断した場合などで認定区分に関わらず介護ベッドをレンタルできる「例外給付」が認められるケースもありますが、あくまでまれな例です。

レンタル vs 購入

介護保険では、介護ベッドに関してはレンタルのみが原則で、購入費用への補助はありません。そのため、要介護2以上の方が電動ベッドを使いたい場合は、レンタルサービスを利用するのが一般的です。レンタルなら前述の通り月々数百～数千円程度の自己負担で済みます。購入した場合は全額自己負担ですが、自分の所有物となるメリット（長期間遠慮なく使える、衛生面で安心など）もあります。介護が長期に及ぶ場合でも、レンタルなら不要になれば返却できますし、新しい製品への交換も容易です。一方、購入すれば繰り返しレンタル料を払い続けるより安く済む可能性もあります。利用期間や衛生面の好みなどを考慮して選ぶとよいでしょう。

申請方法の概要

介護保険を利用して電動ベッドをレンタルしたい場合、まず市区町村の窓口で要介護認定の申請を行います。認定調査と主治医意見書のプロセスを経て要支援・要介護度の認定を受けたら、地域包括支援センターやケアマネジャーと相談し、ケアプランに福祉用具貸与サービスを組み込みます。福祉用具貸与事業者（レンタル業者）をケアマネが手配してくれるので、利用者は事業者から電動ベッド（特殊寝台）の提案を受け、気に入ったものを設置してもらいます。設置・配達から定期メンテナンス、回収まで含めてサービス提供されるので安心です。自己負担金は介護保険の給付限度額内で1割（または2～3割）を事業者に支払います。

適用外の場合

要介護1以下で保険が使えない場合でも、自費で電動マットレスや電動ベッドをレンタルすることは可能です。介護保険適用外のレンタルプランを用意している業者もありますが、料金は全額自己負担なので月数千～1万円以上と割高になります。そのため、軽度要介護で費用補助が受けられない場合は、思い切って市販の家庭用電動ベッド（前述のおすすめ製品など）を購入してしまった方が経済的なケースもあります。

介護保険で借りたベッドと電動マットレス

介護保険レンタルではベッド本体（フレーム）とマットレスはセット扱いです。貸与種目「特殊寝台」は「本体」と「付属品（マットレス等）」に分かれており、どちらも保険でレンタルできます。要介護2以上の方であれば、電動マットレス単体という形ではなく介護ベッド一式として必要な物品を貸与してもらえるので、「電動ベッド＋専用マットレス」をまとめて使うことになります。その際、利用者が自前で電動マットレスを購入する必要はありません。

まとめると、介護保険を使えるか否かで導入コストが大きく変わるため、まずはご家族の要介護度を確認しましょう。条件を満たせばレンタル利用が経済的ですし、適用外でも自治体によっては福祉用具購入や住宅改修に独自の助成がある場合もあります。不明な点は地域包括支援センター等に相談し、最適な方法で電動マットレスを活用してください。

参考リンク

• 令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査報告書（厚生労働省）
• 平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査報告書（厚生労働省）

電動マットレス選びのポイント

最後に、電動マットレス（電動ベッド）を選ぶ際に注目したいポイントを整理します。製品選びの参考にしてください。

部屋のスペースとサイズ

設置場所の寸法を測り、マットレスのサイズ（幅・長さ・厚み）が収まるか確認しましょう。電動マットレスはシングルサイズが主流ですが、折りたたみ式なら使わないときに片付け可能です。折りたたみでないタイプも厚み20cm前後あるため、布団と比べるとかさばります。和室に直置きする場合は布団の上げ下ろしが不要になる反面、日中畳むことはできません。また重量があるので、設置経路（玄関や廊下の幅、階段など）もチェックが必要です。必要に応じて開梱設置サービスを利用しましょう。

リクライニング機能・モーター数

製品によってモーター数が異なります。1モーターのものは背上げと脚上げが連動して動きますが、2モーターなら背と脚を独立して角度調節できます。細かな姿勢調整をしたい場合は2モーター以上がおすすめです。操作方法も確認しましょう。高齢の方にはシンプルなリモコンが扱いやすく、ボタンが大きくわかりやすいものが安心です。最近の製品はほとんど無段階調整ですが、好みの角度で停止できるか、戻すときはフラットに自動で戻るかなど、使い勝手も比較ポイントです。

静音性と動作のスムーズさ

モーターの駆動音や動きの滑らかさも重要です。幸い現在の主流モデルは「静音タイプ」が多く、深夜でも気兼ねなく操作できます。念のため商品説明や口コミで「動作音がうるさくないか」「スムーズに動くか」を確認するとよいでしょう。特に安価な製品の場合、動作時に振動や音が大きめという声もありますので注意します。

安全性・安定性

介護用途で使うなら、安全面の配慮も欠かせません。挟み込み防止など安全装置の有無、本体の安定感（ぐらつきがないか）、耐荷重は充分かをチェックしましょう。耐荷重は使用者の体重＋寝具で超過しないことが前提です。また、端に腰掛けて立ち上がる際に沈み込みすぎない設計（エッジサポート）だと安全です。必要に応じて別売りの手すり（ベッド柵）を取り付けられるかも確認ポイントです。介護ベッド用の後付け手すりが対応する機種もあります。

メンテナンス性

マットレス部分のお手入れがしやすいかも重要です。カバーの取り外しや洗濯が可能か、防水シート対応か、消臭・抗菌加工があるかなどを見ておきましょう。介護中はどうしても汚れやすいため、定期的に清潔を保てる工夫が必要です。防水カバーやシーツを利用すれば本体を汚さずに済みますが、素材によっては通気性も考慮してください。

耐久性と保証

長く使うなら耐久性は無視できません。信頼できるメーカーか、製品の評価はどうかを調べましょう。中には1万回以上の昇降テストをクリアしている高品質な製品もあります。モーターやフレームの保証期間もチェックポイントです（目安として1年保証が多いですが、延長保証サービスがある場合も）。電動製品ゆえに故障時の対応も確認しておくと安心です。購入店やメーカーのアフターサービス内容（修理の出張対応の有無、代替品の貸出など）を事前に把握しておきましょう。

配送・設置サービス

大型家具扱いになるため、通販で購入する場合は配送方法を確認しましょう。玄関渡しだと重くて運べないケースがあります。開梱設置サービス付きの商品なら組立・設置まで行ってくれるので安心です。折りたたみ式なら基本完成品で届くものが多いですが、一部組み立て箇所（手すりの取り付け程度）がある場合もあります。事前に説明書を確認できるなら見ておくと良いでしょう。処分時の引き取りサービスの有無も頭に入れておくと将来役立ちます。

以上の点に気を付けて選べば、きっとご家庭に合った電動マットレスが見つかるはずです。特に介護目的の場合は、安全第一で無理なく扱える製品を選ぶことが肝心です。

使用者の声・口コミの傾向

実際に電動マットレスや電動ベッドを使用している方々の口コミを見ると、概ね満足度は高いようです。いくつか代表的な意見や傾向を紹介します。

「起き上がりが楽になった」

要介護者本人から最も多く聞かれるのはこの声です。電動で背を起こせることで、体を起こす負担が減り「自分でスッと起き上がれるようになった」「介助なしで座れるので自信がついた」といった前向きな反応があります。冒頭で紹介したように、高齢のお母様に電動ベッドを贈った方からも「寝起きがとても楽そうになった」との感想が寄せられています。寝たきりではない高齢者にとって、少しでも自力で動ける範囲が広がるのは大きなメリットです。

「介護する側の負担が減った」

家族や介護者の口コミでは、「抱え起こす必要がなくなり腰痛が軽減した」「ベッドの高さがある程度あるので立ち上がりを支えやすい」など、身体的負担の軽減を喜ぶ声が目立ちます。特に布団生活から電動ベッドに変えた場合、介助のしやすさは格段に向上します。背を上げた状態で食事介助ができるため誤嚥リスクが下がった、夜間の体位変換がスムーズになった、という報告もあります。結果的に介護者の心の余裕も生まれ、「もっと早く導入すればよかった」と感じるケースも少なくありません。

睡眠の質や健康面での効果

電動ベッドを活用して上半身を少し起こした状態で寝るようにしたところ、「いびきが減った」「睡眠中の呼吸が楽になった」という健康改善の声もあります。仰向けで平らに寝るといびきをかきやすい人でも、上体を軽く起こせば気道が確保されるためです。また、むくみやすい脚を少し上げて休めることで「脚のだるさが和らぐ」といった声も見られました。電動マットレスは介護用途以外にも、高齢による体調変化に対応した快眠ツールとして役立っているようです。

静音性・安全性に関する声

実際に使ってみて「動作音が静かで驚いた」「夜中に操作しても同室の人を起こさずに済む」と、その静音ぶりを評価する口コミが多いです。また、「挟み込み防止機能のおかげで毛布が巻き込まれても止まって安心」という具体的な安全機能への言及もありました。総じて大手メーカー品は品質が高く、操作中の恐怖感や不安感なく使えているようです。

ネガティブな意見

一方で少数ながら、「思ったより場所を取る」「重くて移動が大変」といった声もあります。折りたたみ式以外の電動ベッドは気軽に模様替えできない重量物なので、設置場所は慎重に決める必要があります。また、「安価な製品を選んだら数年で故障した」「海外製のノーブランド品は保証対応が不安」という意見も散見されます。やはり信頼できるメーカーと販売店から購入した方が長い目で見て安心と言えるでしょう。実際、故障時に部品取り寄せや出張修理など迅速に対応してもらえたという口コミが寄せられているメーカーもあります。価格だけでなくアフターサービスも含めた評価が大事だとわかります。

総合すると、電動マットレスは利用者本人にも介助者にも嬉しい効果をもたらし、導入満足度の高い介護アイテムと言えます。適切な製品選びと正しい使い方をすれば、「買ってよかった」「借りてよかった」ときっと感じられるでしょう。口コミ情報を参考にしつつ、ご家庭のニーズに合った電動マットレスを上手に活用してください。

おわりに

電動マットレスは、高齢者の寝起きをサポートし介護負担を軽減してくれる心強い味方です。リクライニング機能や安全装置など基本機能を押さえ、通常マットレスや介護ベッドとの違いを理解することで、その価値を実感いただけたのではないでしょうか。価格帯は幅広いですが、介護保険レンタルを活用すれば経済的に利用することも可能です。ぜひ本記事を参考に、ご家族にとって最適な電動マットレスを見つけてください。快適な睡眠とより楽な介護生活が送れるよう、心より応援しています。

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